冷凍サイクルには4つの機器が登場しますが、その中で「似ているようで真逆」なのが凝縮器と蒸発器です。
記事4で冷凍サイクルの全体像を解説したとき、凝縮器は「熱を捨てる」、蒸発器は「熱を吸う」と書きました。やっていることは正反対なのに、どちらも「熱交換器」と呼ばれる。名前もなんとなく似ている。ここが混乱するポイントです。
僕も勉強中、「あれ、凝縮器ってどっちだっけ?」と何度も迷いました。でもこの2つはセットで比較しながら覚えると、不思議と混ざらなくなります。
まず整理:それぞれの役割
蒸発器——熱を吸い取る側
蒸発器の中では、液体の冷媒が蒸発して気体に変わります。液体が気体になるとき、まわりから熱を奪う。エアコンの室内機から冷たい風が出るのは、蒸発器の中でこれが起きているからです。
覚え方はシンプル。蒸発器=冷やす側=室内機。
凝縮器——熱を捨てる側
凝縮器の中では、高温高圧の気体の冷媒が冷やされて、液体に戻ります。気体が液体になるとき、持っていた熱を外に放出する。夏に室外機の前に立つと熱風が来るのは、凝縮器がまさに熱を捨てている最中だからです。
覚え方はシンプル。凝縮器=熱を捨てる側=室外機。
セットで覚えるなら:蒸発器で吸った熱を、凝縮器で捨てる。 この一文だけ頭に入れておけば、どちらがどちらか迷わなくなります。
凝縮器の種類
試験では、凝縮器の種類と特徴が問われます。冷媒の熱を「何で冷やすか」によって分類されます。
水冷式
水を使って冷媒を冷やすタイプです。冷却水が配管の中を流れていて、冷媒と熱交換をします。冷却効率が高く、大型の冷凍装置やビルの空調で使われています。
水冷式にもいくつか種類があります。
シェルアンドチューブ式: 円筒形の容器(シェル)の中にたくさんの管(チューブ)が通っている構造。管の中に冷却水を流し、管の外側で冷媒が凝縮します。大型の冷凍装置で多く使われる定番のタイプです。
二重管式: 管の中に管が入っている構造。内管に冷却水、外管に冷媒を通す、またはその逆。小型の装置に使われます。
空冷式
空気(風)で冷媒を冷やすタイプです。家庭用のエアコンの室外機がまさにこれ。ファンで外の空気を当てて、冷媒の熱を空気中に放出します。水の配管が不要なので、設置が簡単。ただし、外の気温が高いと冷却効率が落ちます。
蒸発式
水と空気の両方を使って冷やすタイプです。凝縮器の管に水をかけながら、同時に空気を当てる。水が蒸発するときに熱を奪う効果を利用するので、水冷式より少ない水の量で効率よく冷やせます。
蒸発器の種類
蒸発器も「何を冷やすか」によって分類されます。
冷媒液強制循環式
ポンプを使って冷媒を蒸発器に強制的に送り込む方式。大型の冷凍・冷蔵倉庫で使われます。冷媒が蒸発器の中をまんべんなく行き渡るので、冷却が均一になるのが特徴です。
乾式蒸発器
膨張弁から出た冷媒が、蒸発器の中を通る間に完全に蒸発する方式。エアコンや冷蔵庫など、比較的小型の装置に使われます。冷媒が出口で完全に気体になっているので、圧縮機に液体の冷媒が戻る心配が少ない。
満液式蒸発器
蒸発器の中が液体の冷媒で満たされている方式。冷媒が液体として接触する面積が大きいので、熱交換の効率が高い。大型の冷凍装置で使われます。ただし、冷媒の量が多く必要になります。
試験でよく出るポイント
凝縮器と蒸発器に関して、試験でよく問われるポイントをまとめておきます。
凝縮器まわり:
- 凝縮器では冷媒が気体から液体になる(「蒸発する」と書いてあったら×)
- 水冷式は冷却効率が高いが、冷却水の管理(水あかやスケール)が必要
- 空冷式は外気温に冷却能力が左右される
蒸発器まわり:
- 蒸発器では冷媒が液体から気体になる(「凝縮する」と書いてあったら×)
- 蒸発器に霜がつくと熱交換の効率が下がる(除霜=デフロストが必要)
- 満液式は冷媒量が多く必要
共通して押さえておくこと:
- どちらも「熱交換器」であること
- 凝縮器と蒸発器の役割を入れ替えた選択肢が頻出の引っかけ
記事4でも書きましたが、「蒸発器では冷媒が凝縮して〜」のように役割を逆にした選択肢は定番の引っかけです。蒸発器=蒸発、凝縮器=凝縮、この当たり前のことを確実に押さえておくのが一番の対策です。
僕の覚え方
凝縮器と蒸発器は、種類がいくつもあって混乱しがちです。でも試験対策としては、まず「蒸発器=熱を吸う=室内機」「凝縮器=熱を捨てる=室外機」というベースをしっかり持っておくこと。その上で、過去問を解きながら「水冷式って何だっけ」と出てきたタイミングでこの記事に戻って確認する、という使い方がおすすめです。
一度に全部覚えようとしなくて大丈夫です。過去問を繰り返す中で、自然と頭に入ってきます。
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