圧力容器・配管の基礎知識をわかりやすく解説【法令とセットで覚える】

冷凍装置の中には、高圧のガスが流れています。その高圧ガスを閉じ込めている「容器」と、容器をつなぐ「配管」。これが壊れたら大事故になるので、法律で厳しく管理されています。

正直に言うと、僕が勉強していて一番つまらなかったのがこのテーマです。機器の仕組みのような面白さがなく、ひたすら「何がどう決まっているか」を覚える感じ。でも試験ではしっかり出ますし、法令科目と直結しているので避けて通れません。

この記事では、試験に出るポイントに絞って、できるだけシンプルにまとめます。


圧力容器とは

冷凍装置の中で、冷媒ガスを閉じ込めている容器のことを圧力容器と呼びます。具体的には、凝縮器、蒸発器、受液器などがこれにあたります。

高圧ガス保安法では、圧力容器を高圧部低圧部に分けて管理しています。

高圧部: 圧縮機の吐出し側から膨張弁の手前まで。圧縮機で圧力を上げた後なので、冷媒は高温高圧の状態です。凝縮器や受液器が含まれます。

低圧部: 膨張弁から圧縮機の吸入側まで。膨張弁で圧力を下げた後なので、冷媒は低温低圧の状態です。蒸発器が含まれます。

記事9で付属機器の設置場所を冷凍サイクルの流れで整理しましたが、高圧部・低圧部の区分もあの流れで覚えると混乱しません。

試験で問われるポイント:

  • 高圧部と低圧部の区分(どの機器がどちらに属するか)
  • 高圧部には安全弁の設置が義務付けられている(記事10と連動)

圧力容器に求められる強度

圧力容器は内部の高い圧力に耐えなければいけないので、設計や材料に基準があります。

設計圧力と許容圧力

設計圧力: 圧力容器を設計するときに基準とする圧力。実際の運転で想定される最高圧力以上に設定されます。

許容圧力: その容器が実際に耐えられる最高の圧力。経年劣化を考慮して、設計圧力よりも余裕を持たせた値です。

試験では「設計圧力は許容圧力以上でなければならない」→ ×(逆です。許容圧力が設計圧力以上)、のような引っかけが出ます。

耐圧試験と気密試験

圧力容器は、使い始める前や修理の後に試験を行います。

耐圧試験: 容器の強度を確認するための試験。設計圧力の1.5倍以上の圧力をかけて、変形や漏れがないかを確認します。

気密試験: 容器のすき間から冷媒が漏れないかを確認するための試験。設計圧力以上の気体の圧力をかけて、漏れがないかを確認します。

試験で問われるポイント:

  • 耐圧試験は設計圧力の1.5倍以上
  • 気密試験は設計圧力以上
  • 耐圧試験を行った後に気密試験を行う(順番が大事)

配管について

冷凍装置の各機器をつなぐ配管にも、試験で押さえておくべきポイントがあります。

配管の材質

冷媒の種類や圧力に応じて、適切な材質の配管を使う必要があります。

アンモニア冷媒の場合: 銅や銅合金の配管は使えません。アンモニアは銅を腐食させるためです。鉄管や鋼管が使われます。これは試験でよく出る引っかけポイントです。

フルオロカーボン冷媒の場合: 銅管が広く使われています。

配管の接続

配管の接続方法には溶接やフランジ接続などがありますが、試験では「振動による配管の破損を防ぐ措置が必要」という点が問われることがあります。圧縮機は運転中に振動するので、圧縮機まわりの配管には振動を吸収する工夫が必要です。


肉厚と腐食しろ

圧力容器や配管には、必要な「肉厚」(壁の厚さ)が定められています。

ここで出てくるのが**腐食しろ(ふしょくしろ)**という概念です。容器や配管は長年使っていると、内側が腐食して薄くなっていきます。その分をあらかじめ見込んで、必要な厚さに上乗せしておく分が腐食しろです。

試験で問われるポイント:

  • 圧力容器の肉厚は、必要な厚さに腐食しろを加えた値以上にする
  • 腐食しろは使用する冷媒や環境によって異なる

法令科目との関連

圧力容器・配管のテーマは、法令科目と直結しています。特に以下のような内容が法令で問われます。

  • 圧力容器の検査(耐圧試験・気密試験)の実施基準
  • 高圧ガス設備の変更や修理をした場合の届出
  • 冷凍装置の規模(冷凍能力)に応じた規制の違い

法令の具体的な数字(何トン以上なら届出が必要か、検査の期限は何年かなど)は、記事26(法令の数字を一覧表で整理)でまとめる予定です。この記事ではまず「どんな考え方で管理されているか」を掴んでおいてください。


僕の覚え方

このテーマは覚えることが多くて嫌になりますが、過去問を解いてみると、聞かれるポイントは意外と絞られています。

僕が最終的にノートにまとめたのは、この4つだけです。

  • 高圧部と低圧部の区分(膨張弁が境目)
  • 耐圧試験=設計圧力の1.5倍、気密試験=設計圧力以上、順番は耐圧→気密
  • アンモニアに銅はダメ
  • 肉厚には腐食しろを足す

これだけ覚えておけば、過去問の安全装置・圧力容器まわりの問題はかなり対応できます。全部を深く理解しようとせず、まず頻出ポイントを押さえてから、過去問で出てきた知らない部分を補っていく方が効率的です。


関連記事

  • 記事9:膨張弁・付属機器の働きをわかりやすく解説
  • 記事10:安全装置の種類と役割をわかりやすく解説
  • 記事12:高圧ガス保安法をわかりやすく解説(準備中)
  • 記事26:法令の数字を一覧表で整理(準備中)

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