冷凍装置は高圧のガスを扱う機械なので、万が一の事故を防ぐための安全装置がいくつもついています。
この安全装置、試験では「保安管理技術」と「法令」の両方の科目で出題されるのがポイントです。つまり、ここを押さえておくと2科目分の得点につながる。コスパがいいテーマです。
僕も勉強中、法令の問題を解いていて「あれ、これ保安管理でもやったな」と思う場面が何度もありました。安全装置は科目をまたいで出るので、一度しっかり整理しておくと後が楽になります。
なぜ安全装置が必要なのか
冷凍装置の中は、圧縮機で圧力を上げた高圧の冷媒が流れています。もし何かの原因で圧力が異常に上がったら、配管や容器が破裂する危険があります。
安全装置は、そうした異常な圧力上昇から装置と人を守るための仕組みです。試験では、それぞれの安全装置が「何をきっかけに」「どう動いて」「何を守るのか」が問われます。
安全弁(ばね式安全弁)
安全装置の中で一番よく出るのが安全弁です。
仕組みはシンプルで、容器内の圧力が設定値を超えると、ばねの力に打ち勝って弁が開き、冷媒ガスを外に逃がします。圧力が下がれば弁は自動的に閉じます。
やかんの蓋が蒸気で持ち上がるのに似ています。中の圧力が高くなりすぎたら、蓋が開いて蒸気を逃がす。安全弁もそれと同じで、圧力を逃がすことで容器の破裂を防ぎます。
試験で問われるポイント:
- 圧力が設定値を超えると自動的に開く
- 圧力が下がれば自動的に閉じる(繰り返し使える)
- 高圧部(凝縮器、受液器など)に設置される
- 吹き始め圧力と吹き止まり圧力がある
安全弁は「繰り返し使える」のが特徴です。一度作動しても、圧力が正常に戻れば弁が閉じて、そのまま使い続けられます。ここが次に紹介する溶栓との大きな違いです。
溶栓(溶融栓)
溶栓は、**温度が上がると溶ける金属(可溶合金)**でできた栓です。
火災などで装置の温度が異常に上がったとき、溶栓の金属が溶けて穴が開き、冷媒ガスを放出します。これによって容器の破裂を防ぎます。
安全弁との一番の違いは、一度作動したら元に戻らないこと。溶栓の金属は溶けてしまうので、作動後は交換が必要です。
試験で問われるポイント:
- 温度の上昇で作動する(圧力ではなく温度がきっかけ)
- 一度作動すると交換が必要(繰り返し使えない)
- 安全弁と併用されることがある
試験では「溶栓は圧力の上昇で作動する」→ ×(温度の上昇で作動する)、という引っかけが出ます。安全弁=圧力、溶栓=温度、この区別が超重要です。
破裂板
破裂板は、薄い金属の板で圧力容器の開口部を塞いでいる安全装置です。圧力が設定値を超えると、この板が破裂して冷媒を一気に放出します。
溶栓と同じく一度作動したら交換が必要です。安全弁より応答が速い(瞬間的に大量のガスを放出できる)のが特徴で、急激な圧力上昇に対応するために使われます。
試験で問われるポイント:
- 圧力の上昇で作動する
- 一度作動すると交換が必要
- 安全弁と併用されることがある
高圧遮断装置(圧力スイッチ)
ここまでの3つ(安全弁・溶栓・破裂板)は、冷媒を外に逃がすことで圧力を下げる装置でした。高圧遮断装置は、それとは違うアプローチで安全を守ります。
高圧遮断装置は、圧力が設定値を超えたときに圧縮機の運転を自動的に停止させる装置です。圧縮機が止まれば、それ以上圧力は上がらない。冷媒を外に放出せずに安全を確保できるのが利点です。
試験で問われるポイント:
- 圧力が設定値を超えると圧縮機を停止させる
- 冷媒を放出しない(安全弁や溶栓との違い)
- 高圧部の圧力を検知する
安全装置の比較まとめ
| 作動のきっかけ | 冷媒の放出 | 繰り返し使用 | |
|---|---|---|---|
| 安全弁 | 圧力 | あり | できる |
| 溶栓 | 温度 | あり | できない(交換) |
| 破裂板 | 圧力 | あり | できない(交換) |
| 高圧遮断装置 | 圧力 | なし | できる |
試験では、この表の「違い」を入れ替えた選択肢が出ます。特に「安全弁=圧力で作動」「溶栓=温度で作動」の区別と、「高圧遮断装置は冷媒を放出しない」の2点は、ほぼ毎回のように問われます。
法令科目との関連
安全装置は「保安管理技術」だけでなく「法令」でも出題されます。法令では、以下のような切り口で問われることが多いです。
- どの規模の冷凍装置に安全弁の設置が義務付けられているか
- 安全弁の検査や点検の基準
- 冷媒ガスの種類による安全装置の要件
法令の数字や基準は記事26(法令の数字を一覧表で整理)で詳しくまとめる予定ですが、まずは保安管理技術の観点で「何がどう違うか」をこの記事で掴んでおくと、法令の暗記も入りやすくなります。
僕の覚え方
安全装置は種類ごとの違いがはっきりしているので、比較で覚えるのが一番早いです。
僕は上の比較表をノートに書いて、「安全弁=圧力で開く、何度でも使える」「溶栓=熱で溶ける、使い捨て」「高圧遮断=圧縮機を止める、ガスは出ない」と、それぞれ一行で特徴を書き添えていました。
過去問でも安全装置の問題はパターンが決まっているので、3〜4年分の過去問を解けば、どこが引っかけポイントかが見えてきます。
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