冷媒の種類と特徴まとめ【試験に出るポイントを整理】

第3種冷凍機試験

冷凍サイクルの中をグルグル回って、熱を運んでいる物質。それが「冷媒(れいばい)」です。

記事4で冷凍サイクルを解説したとき、「冷媒が蒸発して熱を吸い、凝縮して熱を捨てる」という話をしました。でも「冷媒って具体的に何なの?」という疑問には触れていませんでした。

僕も最初は「冷媒=なんか冷たい液体」くらいのイメージしかなかったのですが、実は冷媒にはいくつもの種類があって、それぞれ特徴が違います。しかも環境規制の話とも絡んでくるので、試験でも実務でも避けて通れないテーマです。


そもそも冷媒って何をしている?

冷媒は、冷凍サイクルの中で「蒸発」と「凝縮」を繰り返しながら、熱を運ぶ作業員のような存在です。

冷媒に求められる性質は、ざっくり言うとこんな感じです。

  • 低い温度で蒸発できること(じゃないと冷やせない)
  • 化学的に安定していること(配管や機器を腐食させない)
  • 毒性や可燃性が低いこと(安全に使える)
  • 環境への影響が小さいこと(ここが近年の大きなテーマ)

すべてを完璧に満たす冷媒は存在しないので、用途に応じて使い分けられています。


冷媒の分類

冷媒は大きく分けると、フロン系自然冷媒の2つに分かれます。

フロン系冷媒

フロンは人工的に作られた冷媒で、長い間、空調や冷凍の世界で主役を務めてきました。ただし環境への影響が問題になっていて、世代交代が進んでいます。

CFC(クロロフルオロカーボン): いわゆる「特定フロン」。オゾン層を破壊する力が強く、すでに生産は全廃されています。R12などがこれに当たります。試験では「もう使われていない冷媒」として出てくることがあります。

HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン): CFCの代替として使われていた冷媒。R22が代表的です。オゾン層への影響はCFCより小さいですが、ゼロではないため、こちらも段階的に規制されています。既存の設備ではまだ使われている場合がありますが、新規の設備には使えません。

HFC(ハイドロフルオロカーボン): オゾン層は破壊しないが、温室効果が大きい冷媒。R410AやR134aなどが代表的です。現在も広く使われていますが、地球温暖化への影響から、こちらも規制が強まっています。

HFO(ハイドロフルオロオレフィン): 最新世代の冷媒。オゾン層を破壊せず、温室効果も非常に小さい。R1234yfなどがあります。

自然冷媒

自然界にもともと存在する物質を冷媒として使うものです。

アンモニア(R717): 冷却能力が高く、大型の冷凍倉庫や食品工場で使われています。環境への影響は小さいですが、毒性があるため、取り扱いには注意が必要です。試験では「アンモニアは毒性がある」というポイントが頻出です。

二酸化炭素(R744): 自然冷媒の中で注目されているものの一つ。毒性も可燃性もなく安全ですが、運転圧力がかなり高くなるのが特徴です。

イソブタン(R600a): 家庭用冷蔵庫で使われている冷媒。環境への影響は小さいですが、可燃性があります。


試験に出る冷媒の記号と特徴

試験では「R○○」という記号で冷媒が登場します。全部覚える必要はありませんが、以下はよく出るので押さえておくと得点になります。

冷媒分類特徴
R22HCFCかつての主力。オゾン層への影響あり。段階的に規制中
R410AHFC現在の主力の一つ。オゾン層は破壊しないが温室効果が大きい
R32HFCR410Aの代替として普及中。温室効果がR410Aの約1/3
R134aHFCカーエアコンなどに使われる
R717自然冷媒アンモニア。冷却能力が高いが毒性あり
R744自然冷媒二酸化炭素。安全だが運転圧力が高い

環境規制の流れ

冷媒の話は環境規制とセットで出題されることがあります。細かく覚える必要はありません。
ここはなんとなく流れをざっくり押さえておきましょう。

オゾン層の問題 → CFC・HCFCが原因。モントリオール議定書で規制。CFCは全廃、HCFCは段階的に廃止。

地球温暖化の問題 → HFCが原因。キガリ改正(モントリオール議定書の改正)で段階的に削減。

つまり、「オゾン層を壊す冷媒はすでに規制済み。今は温室効果の大きい冷媒の削減が進んでいる」という流れです。試験では、どの冷媒がオゾン層を破壊し、どの冷媒が温室効果を持つか、という区別が問われます。

ポイントは、HFCはオゾン層を破壊しないが、温室効果が大きいということ。「オゾン層を破壊しない=環境に優しい」ではないので注意です。


僕の覚え方

冷媒の記号と特徴は、最初は暗記するしかないと思っていました。でも過去問を何周もやっていると、聞かれるパターンが決まっていることに気づきます。

特に多いのがこの3つの問われ方です。

  • 「R○○はオゾン層を破壊する」→ HCFCとCFCならYes、HFCならNo
  • 「アンモニアは毒性がない」→ ×(毒性がある)
  • 「R410Aは温室効果がない」→ ×(温室効果が大きい)

冷媒の名前と性質を一覧で暗記しようとするより、過去問で間違えたものだけメモしていく方が効率的です。僕は通勤中にスマホでそのメモを見返していました。


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