圧縮機の種類と仕組みをわかりやすく解説【冷凍三種の頻出テーマ】

第3種冷凍機試験

冷凍サイクルの4つのステップのうち、試験で聞かれて個人的にも簡単なのが「圧縮機」です。
取り組みやすいテーマから少しずつ覚えていきましょう。

前回の記事で冷凍サイクルの全体像を解説しましたが、圧縮機は「低温低圧の気体を、高温高圧の気体にする」役割でした。ここまではシンプル。でも試験では、圧縮機の種類ごとの違いが問われます。

僕も最初は「圧縮できればどれでも同じじゃないの?」と思っていました。でも試験で聞かれるポイントを整理してみたら、覚えることは意外と多くありません。この記事では、まず大きな分類を押さえてから、それぞれの特徴をざっくり理解していきます。


まず押さえるべき大分類:容積式か、遠心式か

圧縮機は、圧縮の仕組みによって大きく2つに分かれます。試験ではこの分類自体がよく問われるので、ここが一番大事です。

容積式: 冷媒を閉じ込めた空間を物理的に小さくして圧縮する方式。「押し縮める」イメージです。

遠心式(ターボ式): 冷媒を高速回転させて、遠心力で圧縮する方式。「回して飛ばす」イメージです。

試験では「○○式は容積式である」「○○式は遠心式に分類される」といった正誤問題が出ます。どのタイプがどちらに属するかを押さえておけば、それだけで得点につながります。


容積式の圧縮機たち

容積式に分類される圧縮機は、いくつかの種類があります。

往復式(レシプロ式)

一番イメージしやすいタイプです。自転車の空気入れを思い出してください。ピストンを上下に動かして、中の気体を押し縮める。往復式圧縮機は、まさにあの動きで冷媒を圧縮しています。構造がシンプルで、小型の冷凍装置に広く使われています。

スクリュー式

2本のらせん状のローター(スクリュー)がかみ合いながら回転して、冷媒を押し出す仕組みです。イメージとしては肉挽き機が近い。らせんが回って、材料をどんどん奥に送り込んでいく感じです。中〜大規模の冷凍装置に使われ、振動が少なく運転が安定しています。

ロータリー式

ローター(回転子)がシリンダーの中で回転して、冷媒を圧縮します。往復式のようにピストンが上下するのではなく、回転運動で圧縮するのが特徴です。家庭用のエアコンや冷蔵庫に多く使われています。

試験で気をつけたいのは、ロータリー式は「回転する」から遠心式だと勘違いしやすいこと。ロータリー式は回転運動で圧縮しますが、冷媒を閉じ込めて物理的に押し縮めているので、容積式に分類されます。ここは引っかけポイントです。

スクロール式

うず巻き状の2枚の板(固定スクロールと旋回スクロール)を組み合わせて、冷媒を中心に向かって押し込みながら圧縮する方式です。振動が非常に少なく、静かなのが特徴。こちらも家庭用エアコンなどに使われています。スクロール式も容積式です。


遠心式(ターボ式)

遠心式は、容積式とはまったく仕組みが違います。ピストンやスクリューのように「物理的に押す」のではなく、インペラ(羽根車)を超高速で回転させて、冷媒を外側に飛ばす。外側に飛ばされた冷媒は、速度が落ちるにつれて圧力に変わります。

扇風機の逆をイメージするとわかりやすいです。大量の冷媒を一気に処理できるので、大規模なビルの空調や工場の冷凍設備に使われています。

試験では「サージング」というキーワードがセットで出てきます。サージングとは、冷媒の流量が減ったときに起こる不安定な運転状態のことで、遠心式特有の現象です。


比較まとめ

圧縮の仕組み分類使われる規模身近な例え
往復式ピストンで押す容積式小〜中自転車の空気入れ
スクリュー式スクリューで送る容積式中〜大肉挽き機
ロータリー式ローターで回して押す容積式小(家庭用)
スクロール式うず巻きで挟んで押す容積式小(家庭用)
遠心式遠心力で飛ばす遠心式扇風機の逆

一番大事なのは「分類」の列です。容積式か遠心式か、これだけ覚えておけば、正誤問題はかなり対応できます。


もう一つの分類:密閉式・半密閉式・開放式

圧縮機には、圧縮の仕組みとは別に、構造による分類もあります。これは「圧縮機とモーター(電動機)がどう収まっているか」の違いです。

密閉式: 圧縮機とモーターが一つの容器の中に完全に密閉されている。外から修理できない。家庭用の冷蔵庫やエアコンに多い。

半密閉式: 圧縮機とモーターが同じ容器に入っているが、ボルトで分解できる。現場で修理が可能。業務用に多い。

開放式: 圧縮機とモーターが別々になっていて、軸(シャフト)でつながっている。大型の冷凍装置に使われる。

試験で特に聞かれるのが、開放式のシャフトシールです。開放式は圧縮機とモーターが分かれているため、軸が容器の外に出ている部分があります。ここから冷媒が漏れないようにするための部品がシャフトシールです。

「シャフトシールは何のためにあるか?」→「冷媒の漏洩を防ぐため」。これがそのまま試験の答えになります。シンプルですが、確実に押さえておいてください。


僕の覚え方

圧縮機の種類は多くて混乱しますが、試験で聞かれるポイントは意外と絞られています。

まず「容積式か遠心式か」の分類。ロータリー式が容積式というのだけ注意しておけば大丈夫です。次に「密閉・半密閉・開放」の違いと、開放式のシャフトシール=冷媒漏洩防止。

全部を完璧に理解しようとするよりも、まずはこの2つの切り口で「なんとなくこういう違いがあるのか」と掴んでおく方が、過去問を解いたときに選択肢の正誤が見えてきます。


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