冷凍三種の勉強をしていると、「冷凍能力」という言葉が何度も出てきます。
テキストには数式が書いてありますが、三冷の試験では冷凍能力の計算問題は出ません。計算が出るのは二冷からです。じゃあ覚えなくていいかというと、そうでもない。冷凍能力に関する知識問題は三冷でも出るので、「冷凍能力って何?」「何が影響するの?」という概念の理解は必要です。
この記事では、数式は使わずに、冷凍能力の考え方をイメージで掴むことを目標にします。
冷凍能力ってそもそも何?
冷凍能力は、ひとことで言うと**「その冷凍装置がどれだけの熱を取り除けるか」を表す数字**です。
エアコンに例えるとわかりやすいです。6畳用のエアコンと20畳用のエアコンでは、冷やせる範囲が違いますよね。20畳用の方が「冷凍能力が大きい」ということです。
もう少し正確に言うと、冷凍能力は蒸発器で冷媒が1時間あたりに吸い取れる熱の量で決まります。蒸発器でたくさん熱を吸い取れる装置ほど、冷凍能力が大きい。
冷凍能力を決める2つの要素
冷凍能力は、主に2つの要素で決まります。難しい数式は使わず、イメージで説明します。
要素1:冷媒の循環量
冷凍サイクルの中を流れる冷媒の量が多いほど、蒸発器でたくさんの熱を吸い取れます。
水道に例えると、蛇口を大きく開けると水がたくさん出て、たくさん流せますよね。冷媒も同じで、循環量が増えれば冷凍能力が上がります。
要素2:冷媒1kgあたりの冷凍効果
冷媒が蒸発器を通るとき、1kgの冷媒がどれだけの熱を吸い取れるか。これを「冷凍効果」と呼びます。
同じ量の冷媒でも、1kgあたりの冷凍効果が大きい方が、たくさん冷やせます。スポンジに例えると、同じ大きさでも吸水力が高いスポンジの方がたくさん水を吸えるのと似ています。
つまり、冷凍能力=冷媒の循環量×冷凍効果。たくさん流して、1回あたりたくさん吸い取れれば、冷凍能力は大きくなります。
冷凍能力に影響する条件
試験では、「○○すると冷凍能力はどうなるか」という正誤問題が出ます。以下のポイントを押さえておけば対応できます。
蒸発温度が下がると → 冷凍能力は下がる
蒸発温度が低いと、冷媒の蒸発量が減って循環量が落ちるため、冷凍能力が下がります。
イメージとしては、極寒の中で洗濯物を干しても乾きにくいのと同じ。温度が低いと蒸発しにくい。
凝縮温度が上がると → 冷凍能力は下がる
凝縮温度が高くなると、圧縮機の仕事が増えて効率が落ち、結果として冷凍能力が低下します。
真夏に室外機の周りが高温だと、エアコンの効きが悪くなるのと同じ現象です。
圧縮機の回転数が上がると → 冷凍能力は上がる
圧縮機が速く回れば、冷媒の循環量が増えるので、冷凍能力が上がります。これは直感的にわかりやすいと思います。
冷凍能力と法令の関係
記事12(高圧ガス保安法)で解説した通り、冷凍装置は冷凍能力の大きさによって規制の区分が変わります。第一種製造者か第二種製造者かの判断基準も冷凍能力です。
つまり、冷凍能力は技術的な概念であると同時に、法令上の重要な基準でもあります。「冷凍能力が大きい=規制が厳しくなる」という関係を覚えておくと、法令科目の問題にもつながります。
冷凍能力と成績係数(COP)の違い
冷凍能力と成績係数(COP)は混同しやすいですが、まったく別のものです。
冷凍能力: 「どれだけの量の熱を取り除けるか」を表す。装置の大きさ・パワーの話。
成績係数(COP): 「どれだけ効率よく冷やせているか」を表す。同じ電力でどれだけ冷やせるかの話。
大型トラックと軽自動車で例えるなら、大型トラックは積載量が多い(=冷凍能力が大きい)けど、燃費は悪い(=COPが低い可能性がある)。軽自動車は積載量が少ない(=冷凍能力が小さい)けど、燃費がいい(=COPが高い可能性がある)。
この2つは別の指標なので、試験で「冷凍能力が大きいほどCOPが高い」→ ×、のような引っかけが出たら注意してください。
僕の覚え方
冷凍能力は、計算ができなくても概念さえ理解していれば三冷の試験には対応できます。
僕が覚えたのは以下の3つだけです。
- 冷凍能力=蒸発器で吸い取れる熱の量
- 蒸発温度が下がると冷凍能力は下がる
- 冷凍能力とCOPは別の指標
これだけで、冷凍能力に関する正誤問題はほとんど対応できました。数式を暗記する必要はありません。
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