p-h線図(モリエル線図)の読み方を初心者向けに解説【見方がわかれば怖くない】

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冷凍三種の勉強で「p-h線図」という言葉が出てきたとき、僕は本気で逃げ出したくなりました。

グラフの中に曲線が描いてあって、矢印がぐるぐる回っていて、「エンタルピー」だの「飽和液線」だの聞いたことのない用語が並んでいる。テキストの図を見ても、何が何だかさっぱりわからない。

でも、あるとき「これって冷凍サイクルを別の角度から見ているだけだ」と気づいてから、急に読めるようになりました。記事4で理解した冷凍サイクルの知識があれば、p-h線図は思ったより難しくありません。


p-h線図って何のためにあるの?

p-h線図は、冷凍サイクルの中で冷媒がどんな状態にあるかを、1枚のグラフで表したものです。

記事4では、冷凍サイクルを「蒸発→圧縮→凝縮→膨張」の4ステップで説明しました。あのとき言葉で説明していたことを、グラフ上に図として描いたのがp-h線図です。

つまり、新しい知識を覚えるというよりも、すでに知っている冷凍サイクルを「グラフの読み方」に変換するだけの話です。


グラフの軸を理解する

p-h線図のグラフは、2つの軸でできています。

縦軸:p(圧力)。 上に行くほど圧力が高い。

横軸:h(エンタルピー)。 右に行くほどエンタルピーが大きい。

「エンタルピー」は聞き慣れない言葉ですが、ざっくり言うと冷媒が持っている熱の量だと思ってください。右に行くほど熱をたくさん持っている、左に行くほど熱を手放した状態です。


グラフ上の3つのエリア

p-h線図には、釣り鐘のような形の曲線が描かれています。この曲線で、グラフが3つのエリアに分かれます。

左側のエリア:過冷却液(液体の状態)。 冷媒が完全に液体になっていて、さらに冷えている状態。

曲線の内側:湿り蒸気(液体と気体が混ざった状態)。 冷媒が蒸発している最中、または凝縮している最中。液体と気体が混ざり合っています。

右側のエリア:過熱蒸気(気体の状態)。 冷媒が完全に気体になっていて、さらに温度が上がっている状態。

覚え方: 左から右に向かって「液体→混ざってる→気体」と変わっていく。これは日常でも同じで、水を加熱すると、水(液体)→沸騰中(液体と蒸気が混在)→水蒸気(気体)と変化しますよね。それと同じです。


冷凍サイクルをp-h線図上で見る

ここが一番大事なところです。記事4で学んだ冷凍サイクルの4ステップが、p-h線図上ではどう描かれるかを見ていきます。

ステップ1:蒸発(右に進む)

蒸発器の中で、冷媒が液体から気体に変わります。蒸発するとき冷媒は熱を吸うので、エンタルピー(持っている熱の量)が増えます。

p-h線図上:圧力は一定のまま、右に移動する(横方向の線)。

ステップ2:圧縮(右上に進む)

圧縮機で冷媒を圧縮します。圧力が上がり、温度も上がるので、エンタルピーも増えます。

p-h線図上:右上に向かって斜めに上がる。

ステップ3:凝縮(左に進む)

凝縮器で冷媒が気体から液体に戻ります。熱を外に捨てるので、エンタルピーが減ります。

p-h線図上:圧力は一定のまま、左に移動する(横方向の線)。

ステップ4:膨張(下に進む)

膨張弁で圧力を一気に下げます。このとき、エンタルピーはほとんど変わりません。

p-h線図上:まっすぐ下に移動する(縦方向の線)。

まとめるとこう動く

        高圧
          ┌──── 凝縮(左へ)────┐
          │                      │
     圧縮(右上へ)         膨張(下へ)
          │                      │
          └──── 蒸発(右へ)────┘
        低圧

この四角形のような図が、p-h線図上の冷凍サイクルです。「右→右上→左→下」でぐるっと一周します。


試験ではどう出るのか

p-h線図に関する試験問題は、大きく2つのタイプがあります。

タイプ1:各ステップの方向を問う正誤問題

「圧縮過程ではエンタルピーが減少する」→ ×(圧縮ではエンタルピーは増加する)

このタイプは、上で解説した4ステップの方向さえ覚えていれば対応できます。計算は不要です。

タイプ2:p-h線図から値を読み取る問題

図からエンタルピーの値を読み取って、冷凍能力やCOPを計算する問題。こちらは計算が必要で、難易度は高めです。

記事15でも書きましたが、タイプ1の正誤問題だけでも対応できるようにしておけば、得点のチャンスは十分にあります。


僕がp-h線図を理解できた瞬間

正直に書くと、テキストのp-h線図を最初に見たときは何も理解できませんでした。線が多すぎて、どこを見ればいいかわからない。

理解できたのは、冷凍サイクルの4ステップと対応づけて考えたときです。

「蒸発は熱を吸うから右に行く」「凝縮は熱を捨てるから左に行く」——記事4で学んだ知識をグラフの動きに翻訳しただけでした。新しいことを覚えたのではなく、すでに知っていることの「見え方」が変わっただけ。

だから、p-h線図が苦手な方は、まず記事4の冷凍サイクルをしっかり理解してから戻ってきてください。冷凍サイクルが頭に入っていれば、p-h線図は「あぁ、あれをグラフにしただけか」と思えるようになります。


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